地域包括ケアシステムについて

印旛市郡医師会 印西地区 前理事
医療法人社団 雅厚生会 千葉新都市ラーバンクリニック 理事長・院長
河内雅章

2020年東京オリンピック開催が3年後に、その5年後の2025年が確実に迫ってまいりました。2025年に我が国は、団塊の世代が後期高齢者(75歳)となり、高齢者が全人口の30%を超えるという世界で類を見ない超高齢社会に突入します。医療や介護の需要が急増することは間違いありません。

地域の高齢者の生活を支える要となるのが「地域包括ケアシステム」です。介護が必要な状態になっても、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを続けられるよう包括的な支援・サービスを提供する新しい概念の地域のネットワークです。

地域包括ケアシステムとは、おおむね30分以内でサービスが受けられる日常生活圏域で、日常の医療はかかりつけ医である診療所や病院、通所介護サービス(デイケア・デイサービス)、訪問介護・訪問診療・訪問リハビリ、介護福祉施設(特別養護老人ホーム、老人保健施設)、さらには地域の老人クラブ、自治会、ボランティア、NPOなどが、住民の方々にこれらのサービスを提供するネットワークです。住民の皆様は様々な相談や適切なサービスを活用するための助言を受けることが出来ます。

印西市では、この4月から地域包括支援センターが、北部、南部、船穂・牧の原、印旛、本埜の5か所に開設されました。身近な相談が気軽に受けられ、その方に合ったきめの細かい支援サービスを提供します。かかりつけ医とともに地域包括ケアシステムの柱としてその役割が期待されています。

近年『フレイル』という概念が提唱されています。『フレイル』とは、「体重が減った」、「疲れやすい、おっくうになった」「歩くのがのろくなった」「筋力が落ちた、握力が減った」「活動量が減った」などを来した状態で、75歳を超えた虚弱高齢者に起きやすいとされています。『フレイル』状態は、健康で自立した状態と要介護の状態の中間に位置しそのまま放置すれば要介護状態へ移行していきますが、適切な介入や支援により健康で自立した生活を維持できると考えられています。

またフレイルには、身体的フレイル(低栄養、転倒、持病)、精神的フレイル(認知症、抑うつ)、社会的フレイル(閉じこもり、社会交流の減少)など多面性があり複合的に影響しあいながらフレイル状態が悪化していきます。このようなフレイル状態を早期に発見し、適切な対策を講じることが、地域包括ネットワーク、かかりつけ医には求められています。

今後、印西市でも地域包括ネットワークが血の通った連携を形成し活動していくことが期待されています。日本医科大学千葉北総病院、印西市役所、地域包括支援センターと連携しながら、地域の皆様が健康で生き生きと暮らせるよう、印旛市郡医師会はかかりつけ医としてその責任と使命を果たしてまいります。